2009.11.14

華やかさに彩り・瀬谷佳子アナ

 LJS2戦の場内実況をIBCの瀬谷佳子アナウンサーが務める事になった。本人は大変張り切っていて、熱き女の戦いを伝えるべく気合が入っている様子だ。

 今、現役で競馬の実況をしている女性アナウンサーは、北海道の小枝佳代さんと瀬谷アナだけで、いわゆる局アナとしては瀬谷アナは国内唯一の存在である。

 競馬の女子アナといえば、草分けは元RFラジオ日本の井口保子さんだ。昭和46年に初実況というが、当時ファンを含めた競馬の世界はいまよりはるかに「男社会」だったはずで、井口さんは異色を放つ存在だったと思う。

 その井口さんの活躍を放送局レベルで受け継いだのが実はIBCなのだ。井口さんの登場から10年後の昭和56年、岩手競馬が世界の女性ジョッキーを招いてのレディスカップを行うに当たって、担当の菊池・鈴木両ディレクターの発案で、「女性のレースは女性で」という話が持ち上がった。「本当にできるのか」という声もあったが、「いや、実際にやっている人もいるから大丈夫」と井口さんの実績が後押しをして女性競馬アナの育成につながったのだった。

 入社3年、いきなり教える立場になって戸惑いもあったが、IBC初代の村松文代アナウンサーはたちまち実況を物にした。今思えば恐るべき才能だが、本人は自然体、おなじみのハイトーンの声で的確に描写した。
 彼女の成功でその後も数人の実況アナを育成したが、全員がデビューできたわけではなく、その後のデビューは2人。2代目は、播磨屋美貴子アナウンサー。ややおっとりしたしゃべり方だったが、レースを追う目はしっかりしていた。
 そして3代目が瀬谷アナウンサー。最初は力みすぎが目立ったが、キャリアを重ねるにしたがっていい感じにこなれてきている。なにより競馬を好きになってきたのが大きい。取材力もあり今や「頼れる」存在になっている。韓国通の彼女だが、その韓国にもキム・スジンさんという競馬アナがいるとか。いつか日韓女性競馬実況交流などという企画が実現できたら面白い。

 HPからたどってPCで瀬谷アナの実況を全国のファンが聞くことも出来る。「女だから」というアローワンスは無い時代、本人も良い実況をしようと緊張して本番を迎えると思うが、代われる者はいないのだから、月並みながらせめてエールを送ろう。がんばれ瀬谷佳子!

Posted at 12:00 | 岩手競馬 | TB(0) |
2009.10.15

名勝負!南部杯

 まず訂正から。前回のブログで4頭のGI馬が揃ったのは初めてと書いたが、これは誤りで、2000年(第13回)にはウイングアロー・タイキヘラクレス・ファストフレンド・インテリパワー・ワールドクリークの5頭が勢ぞろいしていた・・・(汗)。(教えて下さったケイシュウ深田さん、ありがとうございました)

 前記、群雄割拠の13回とはおもむきが違った第22回の今年。伸び盛りのJRA4歳2騎、サクセスブロッケンとエスポワールシチーの対決という興味に加え、ブルーコンコルドによる同一GI4連覇の偉業なるかという話題もからんで、「行ってみたい、見てみたい、買ってみたい」意欲の湧くレースになったように思う。
 混戦の中でどれが勝つ、というより上位伯仲の頂上決戦。レースの焦点がこれほど明確な南部杯ははじめてだったかも知れない。参加馬の質を考えれば、現時点でのダート日本一決定戦と言っていいメンバーが揃った。

 えっ?エスポワールシチーのほうが人気なの?前日売りの単勝オッズを見て意外に思ってしまった。フェブラリーステークスの直接対決で勝ったサクセスブロッケンの1番人気を予想していたが、休養期間の長いブロッケンが若干敬遠されたのか、あるいはかしわ記念で差し脚を身につけたエスポワールの進境度が評価」されたのか。2頭に比してブルーコンコルドは離れた3番人気、興味の軸が「一騎打ち」に絞られつつあるなか、当日を迎えた(最終的にはサクセスブロッケンが逆転1番人気)。

 パドックで+14キロのエスポワールシチーは立派に見える。対照的にサクセスブロッケンは−2キロ、重め感は無い。それにしてもうっとりとするような見事な馬体だ。(馬券は前売りでブロッケン頭でエスポワール・コンコルドへ流した馬単を購入していた。)もちろん他の馬も仕上げにぬかりは無く、さすがGIのパドックと思わされた。

 どの馬が先手を取るのか?有力馬の位置取りは?型通りの展開予想が不要だったと気づかされたのはゲートが開いてすぐだった。極々自然にハナに立ったのは3番エスポワールシチー。そしてマークに出た6番サクセスブロッケン。ああ、これは完全に一騎打ちだ!かつての有馬記念のトウショウボーイとテンポイント、岩手競馬の記憶を辿ればマツノテンザンとベストライデンオー、ワダリンホーとコウギョウハンター、の様に他の馬とは関係なく、「最初から最後まで相手は1頭」という競馬が始まった。
 
 先に手が動いたのはサクセスブロッケン、3・4コーナー中間過ぎ、早くもムチがとぶ。レース前に見せたテンションの高さがほんのわずかな能力の消耗につながったのか、ずっと1馬身圏内だったエスポワールシチーとの差が広がりだした。とはいえ、3番手を進むメイショウバトラー、4番手ブルーコンコルド以下の中央勢にも前を追う脚は無い。はるか後方でただ一頭、岩手のマヨノエンゼルが上昇を開始したが、優勝争いに届く距離では残念ながら無い。
 残り200m、勝負は決した。最後の坂を上りきったエスポワールシチーは、余裕さえ感じさせるフォームでゴールを駆け抜けた。最後はあえいだサクセスブロッケンも2着を確保。大歓声の中、2番人気〜1番人気の決着だった。一騎打ちを制したエスポワールシチーは現時点でのダートの王座についたのだ。

 レコードにわずかコンマ3秒差の1分35秒4での決着、特別軽かったわけではない馬場状態を考えればこれは大変優秀なタイムだ。早めに3番手につけた武豊騎乗のメイショウバトラーが3着、これはさすがの騎乗だった。上位5頭までJRA勢が駆け抜けた後、地方勢最先着はマヨノエンゼル。1分38秒台をマークしての6着、水をあけられたとはいえ誇っていい成績だ。あと1頭のGI馬ボンネビルレコードは直線着外に沈んだ。去年までの中央競馬5頭枠であれば入着を果たしていたのだから。

 どこか飄々とした風情の佐藤哲三騎手のインタビュー。「盛岡は大好きなコース、また冷麺をたべに来たいと思う」とのコメントを信じたい。次に見るときにエスポワールシチーはどれほどの存在になっているのだろうか、片や一敗地にまみれたサクセスブロッケンにも、雪辱の舞台にもう一度盛岡を選んで欲しい。名勝負の第一幕は終わったが次を大いに期待したい第22回南部杯だった。
Posted at 10:03 | 岩手競馬 | TB(0) |
2009.10.04

GI馬4頭の南部杯

今年の南部杯は、史上最高のメンバーによって争われる。
・南部杯4連覇がかかるブルーコンコルド
・ジャパンダートダービー・フェブラリーS優勝のサクセスブロッケン
・南関東を舞台としたGI競走2勝ボンネビルレコード
・今年5月のかしわ記念馬エスポワールシチー
以上、4頭のGI優勝馬が参戦してきたのだ。

 岩手競馬で、同じ競走にGIホース4頭が集うのは、かつてのダービーグランプリやJBCを含めて今回が初めてである。過去では2001年南部杯にウイングアロー・アグネスデジタル・ゴールドティアラ、2003年南部杯にアドマイヤドン・イーグルカフェ・アグネスデジタル(後にGIを勝つスターキングマンも参戦した)のそれぞれ3頭が最多の記録だった。
 4頭あわせたGIの勝ち鞍12、全出走馬の獲得Gレース30もそれぞれ最多で、掛け値なしに史上最高メンバーと言える。

 この驚くべき数字の積み重ねはすべてJRA所属馬であり、今年から出走枠が5から6に増えたことも遠因の一つだろう。秋〜冬のGI路線に照準をあわせる中央競馬の強豪がこぞってシーズン初戦に選ぶ競走―南部杯の性格付けがはっきりしてきたともいえそうだ。

 中央勢1頭を負かしただけでは掲示板にも載れない、となると地方競馬組みにはきつい条件だ。自場に適格なレースの多い南関東勢が参加せず、遠征組みではクラスターカップ5着のリワードパットンがいる程度。となれば、ここはやはり地元岩手勢の頑張りに期待しよう。

 その期待の星は3才のマヨノエンゼル。古馬編入後一段と強さをましている。先行集団についていく脚も見せるようになり、進境著しいものがある。JRAのビッグネーム達に立ち向かう小さなスーパーカーの走りに注目しよう。

 がんばれ!マヨノエンゼル。

Posted at 07:01 | 岩手競馬 | TB(0) |
2009.09.25

売れる商品考

 馬券の売り上げ減から今年も経費の削減が必要になった。しかたがない面もある。長引く景気の低迷という常套句?は今こそ深刻で、皆が力を合わせているからこの程度の削減ですんでいるという見方さえある。
 広報・宣伝という部分ではマスコミの寄与できる部分は大きく、集客や新規客の開拓という面では実際貢献できていると思うが、この部分はボディブロー。求められるのものが「売り上げ増」に結びつく顔面パンチだとすれば、商品としての競馬の魅力を上げる工夫がどうしても必要になってくる。

 その際よく言われる、そして実際にその通りのこととしては、「スターホース」作りという処方箋があるのだが、「賞金・手当の減額で良い馬が集まらないだろうに」といった悲観論の前では、単なる願望の域を出ない話に聞こえてしまう。
 ネット販売の充実、広域販売、JRAの馬券の発売は、ファンとしては嬉しいことなのに「手数料」のカラクリにからめとられて利益確保の実効には疑問符がついて回る。新種馬券にしてもシステム上「岩手独自・岩手だけ」のものの発売は相当ハードルが高いようだ。

 馬の質・馬券の種類等の面から話をすると袋小路に入るばかりだが、果たしてほかに方法がないか視点を変えてみる必要があると思う。
 例えばドリームチケットなどを上手く利用して5000円パック、1万円パックという「遊びかたのスタイル」を提供できないだろうか。以前のように客単価が表面上高いときなら、何で売れる商品に上限を設けるのかと、見向きもされなかった考え方だろうが、「かしこく手堅い消費者」を相手に「たとえ負けても5000円!勝ったら気分最高ですよ・・」と訴えてみる方法があってよいと思う。
 競馬本来の醍醐味のひとつに、一攫千金・ハイリスク・ハイリターンという側面があるとして、先の見えない今の時代、際限もなく負け続けることへの警戒感が必要以上にサイフの紐を固くしているのかな・・・・・・と感じるときもある。競馬界が長年にわたって
育ててきた「ライトファン」に見合う商品は「100円で夢を見られる払い戻しの高さ」だけでは無いような気がする。

 別の視点としては客層の変化だろうか。「ファンの高齢化」を売り上げ減の原因にあげた時代もあったが、いまや国民の4人に1人が高齢者。高齢化をマイナスに考えていてはやっていけない。
 それに、現役世代がアップアップしているのに比べリタイア組みのなんと元気なことか。その世代の方たちが楽しめる競馬場であって欲しい。年寄り扱いは御免だという人は勝手に遊ぶとして、「ゆったりとした席」「見やすいオッズ表示」「より塗りやすいマークシート」「うまい和食」「健康に結びつくサービス」など、実現させる目標になりうるPRポイントがいくつか見当たりそうな気がする。
 若い世代、働き盛りの世代むけのサービスは勿論否定しないが、「人生の先輩を大事にする競馬場」というのも、今の世の中にあっては訴求力のあるキャッチフレーズになると感じる。



Posted at 14:58 | 岩手競馬 | TB(0) |
2009.08.05

2歳のヒーロー・ヒロイン誕生へ

 今年の2歳は走るとの評判だ。これまでに勝ちあがった馬は、どれも素質を感じさせるレースをして勝ったように思う。

 牡馬のナンバーワンは2戦2勝のサンデーゴールドだろう。初戦はやや立ち遅れながらもあっさりまくって、2歳馬らしからぬ骨太なレースを見せた。7月27日の2戦目は快速フラットリアとの一騎打ちを制し、押しも押されもしない世代のトップに立った。今年の2歳が初年度産駒となるアドマイヤドンの子というのも魅力だ。もしかしたら大成功する種牡馬の子かもしれないのだ。馬格もあり、レース振りからは距離が伸びても大丈夫、久々に「大物感」を漂わせている。

 牝馬の期待は8月2日の新馬を勝ったグラドル。父はダートのスピード馬スターリングローズ、祖母がスプリンター・マイラーとして活躍したニホンピロウイナーの妹という快速血統だが、芝コースで行われたフューチャーでは期待以上の切れ味を発揮した。2番手につけると直線スッと抜け出し、ゴールでは後続に4馬身差をつけ59秒3をマークした。
ダートの能力検査でも好時計を記録しており、万能のマイラーとして活躍してくれそうな気がする。

 サンデーゴールドの父アドマイヤドンは2002年のJBCクラシック、グラドルの父スターリングローズも同じ2002年のJBCスプリントの勝ち馬。ということはつまり、7年前盛岡競馬で時間差でGIを勝った二頭の子が今季岩手の期待を担うわけだ。スターには物語が必要だが、二頭はバックストーリーをも共有している。どちらのレースも実況した自分にとっても感慨深い共通点なのだ。

 名前とは裏腹にサンデーサイレンスの血を引かないサンデーゴールドには野武士のようにたくましく育って欲しい。露出度バツグン(あたりまえ!)のグラドルには名前の通り紙面をカラーグラビアで飾って欲しい(ほしーの、とか言った方が良い?)。

・・・・・・最後はエロおやじになってしまった、書かなきゃいいのにね。

Posted at 10:43 | 岩手競馬 | TB(0) |