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2008.05.15

厩猿

厩猿(うまやざる まやざる)の話。

 5月5日の岩手日報に、花泉の旧家から「厩猿=サルの頭骨」が見つかったとの記事が載った。4月に2度、ラジオの「競馬の話」のコーナーで取り上げたところ持ち主が名乗りをあげたということだった。黒っぽく変色した頭骨の写真と、「いわれが判って良かった」という所有者のコメントが紹介された。

 厩猿について永年研究している京都大学霊長類研究所共同研究員で滝沢村にお住まいの中村民彦さんによると、古来、猿が馬や牛などの家畜の守り神とされていた時代、全国的に厩舎の周りで猿を飼う習慣があり、そのことが時代とともに猿の骨を祭る「厩猿」の風習を生んだとのことだ。
 岩手ではこれまでおよそ30の「厩猿」がみつかっているが、厩猿の分布を調べることで、近世以前の家畜の飼養状況や、野生のサルの生息状況などを推し量ることが出来るということで、文化人類学的にも貴重なものといえる。

 面白いのは、中村さんがお住まいの滝沢村や、馬の里の遠野からはこれまで発見例が無い。これは多分滝沢には「お蒼然様」、遠野には「オシラ様」がいてともに家畜の守り神としてあがめられていることと無関係ではあるまいとの見解で、どうやら神様にもテリトリーがあるらしい(納得)。

 そもそもなぜ「厩猿」に興味を持ったかというと、競馬場開きの際など、水沢競馬場の神様=「馬れき神」のことが良く紹介されるが、その馬の神様が猿を従えているのはなぜなのか?という興味からだった。神話の世界に入り込むので詳細は割愛するが猿が家畜の神という考え方は古くインド~中央アジアに起源を発し、仏教の伝来とともに日本に伝わったもののようだ。

 非常に奥の深い文化財的価値のある「厩猿」だが、現代にあっては意味を失い「気味の悪い骨」として多くは処分されてしまったものと思われるが、中村さんは気味が悪いからこそ捨てずに秘匿されているケースもまだあるのでは?と話す。

 厩猿(「うまやざる」または「まやざる」と発音)についての情報の窓口の一つは奥州市前沢区の牛の博物館である(TEL 0197-56-7666)。農家や競馬関係者などで、「厩猿」について思い当たる方は是非博物館までご一報を。
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